霊峰と初日の出 富士山はニッポン一の山
良き一年への願いを込めて
日本の象徴であり、2013年に世界文化遺産に登録された富士山。
標高約3,766mの剣ヶ峰を頂点とした円錐形優美な姿はまさに
大自然が創り出した芸術作品です。数百万年以上前に海底火山が
噴火して以来4度の大噴火を繰り返して今日の姿になったとされ、
古の人々は噴火を恐れながらも崇拝し、富士山を信仰してきました。
また、雪をいただく雄大な姿は芸術の源泉となり、葛飾北斎の
『富嶽三十六景』をはじめ古くから今日に至るまで多くの作品が
生み出されています。毎年、お正月に富士山に昇る初日の出を拝もうと
多くの人が絶景スポットを訪れるのは、名画のような美しさを鑑賞する
とともに、その霊力によって新たな一年が幸多き年であるようにとの
願いが込められているのでしょう。
千円札に描かれた富士山
現在の千円札の裏面には、富士山と湖面に映る逆さ富士が
描かれています。これは生涯で富士山を約40万枚も撮り
続けた写真家・岡田紅陽氏が、1935年5月に山梨県身延町の
本栖湖畔から波のない一瞬を撮影した「湖畔の春」をもとに
デザインされたもの。2024年に新札が発行されると千円札で
富士山を目にできる機会はなくなりますが、岡田紅陽写真
美術館(山梨県・忍野村)に行けば貴重な現物に出会うことが
できます。
参考:世界遺産富士山とことんガイド、
富士五湖ぐるっとつながるガイド